お知らせ

【活動報告】高校生が福祉を伝える!3回目は言葉と向き合い「読者に伝えたい」記事づくり

昨年度に引き続き、神奈川県立藤沢清流高校とのコラボレーションをおこなっています。10月30日(木)は3回目として、インタビュー内容をもとに、Ana Letterの記事を作成しました。

※1回目の様子はこちら、2回目の様子はこちら

※昨年度の様子はこちらから(1回目2回目3回目生徒インタビュー①生徒インタビュー②生徒インタビュー③生徒インタビュー④

藤沢清流高校とのコラボレーション

藤沢清流高校には自由選択科目「社会福祉基礎」があり、生徒自らが福祉に関心を抱き、学習できる環境が整っています。今年度も「社会福祉基礎」の授業を3日間いただき、藤沢の福祉や共生社会のあり方を考える講義、藤沢市内の障がい福祉に関わる方へのインタビュー、Ana Letterの記事を作成し情報発信をおこなっています。

この取組みは、次世代を担う高校生自らが藤沢の福祉に関心を抱き、高校生の視点で障がい福祉を捉え、高校生の言葉で発信していくことを大切にしています。また、これを機に、藤沢清流高校の生徒たちが藤沢市とさらにつながってくれたらと願っています。

全体の流れ

この授業は、以下のように、1日2コマ、全3回で実施します。

第1回[2025年5月22日(木)]
ゲームを用いながら、合理的配慮や共生社会のあり方を考えるきっかけづくりをおこなう。10月におこなうインタビューに向けて、藤沢の福祉や取材の心得についても授業の中で触れていく。

第2回[2025年10月23日(木)]
藤沢市内で障がい福祉と関わる方を中心にインタビューにご協力いただき、学校内で生徒自らが各々作成した質問項目をもとにインタビューをおこなう。

・第3回[2024年10月30日(木)]
インタビュー内容をもとに記事を完成させて、生徒自身が抱く、地域福祉や共生社会についての考えを伝える。

3回目の様子を紹介!

授業の内容

前回インタビューした内容をもとに記事の作成をおこないました。2時間という授業の枠組みのなか、【プチ講演の内容】【インタビュー記事】【インタビューを終えて】の項目を作成しました。

インタビューの内容から、「読者に伝えたいこと」を考えてもらい、それぞれのグループで進めてもらいました。

障がいのある子ときょうだい児を育ててきた母(内海智子さん)グループ
看護師(富永崇之さん)グループ
理学療法士(久合田浩幸さん)グループ

記事を作成するにあたり、生徒たちの心に残ったことや伝えたいことが反映できるよう、インタビューのときに使用したメモを中心に使用してもらいました。プチ講演やインタビューの内容をみんなで話すことで、当日の内容をより丁寧に思い返し、理解を深める良い機会になっていました。

記事を書いてみた感想

生徒たちは、初めてインタビュー記事を書きました。どうしたら伝わるか、何を伝えたいか…とグループでたくさん話し合い、作成してくれていました。

インタビューを文字として表すことが思ったよりも難しくて、質問に対して答えを文章で書いていく形式に慣れず、全体的に大変だと感じました。ですが、質問と答えを交互に書いていくことで、読み手からしても内容が理解しやすいように思いました。

あまりちゃんとメモできてなくて、それをまた文章にするのが難しかったです。こんなこと言ってたっけってところも結構あったけど、うまく文章を作れてよかったです。

会話したものを文にまとめて書くというのが難しかったです。耳から入った情報を手元のメモにまとめて、それを文にする。この手順をどこかでミスしてしまうと、誤った情報を伝えてしまう。思っていたより、すごく忙しい作業でした。

お話ししてくださったことをまとめるのがとても難しくて苦労しました。でも、わかりやすく簡潔にグループで協力して伝えたいことをまとめられました。

今回インタビュー記事を初めて書いてみて、すごく難しいと思いました。メモは自分がわかりやすいように、吹き出しだったり、線だったり、箇条書きにしていたのですが、インタビュー記事はインタビューをした人が話したことをそのまま記事にする感じだったので、話し言葉にするのが大変でした。でも書いていて、みんなと話しながらやったり、協力するのはすごく楽しかったです。また、ずっと書記をしながら、まとめてくれた友人に感謝です。

箇条書きでメモを書いていたので、上手く文にすることや、メモから班のみんなで合った部分以外に、大事な部分を抜き出すのがとても大変でした。この授業を知らない人にも伝わるように文を書くには、主語を書くよう、気をつけないといけないことを学べてよかったです。

全く同じ内容を聞いても、メモとして書く部分は人によってさまざまで、その分、感じるものも少しずつ違ってくるから、全てをまとめきるのは難しかったです。

人それぞれ文のまとめ方とか捉え方が違ったから、それをまとめるのが難しかったのと、箇条書きでメモしてたから、それを文にするのが難しかった。

インタビューで聞いた内容が質問から逸れているものがあって、そこは必要に応じて、書き足さなくていけなくなったり、インタビューのときに気をつけなければいけなかったと感じた。

今回インタビュー記事を書いてみて、内容を知らない人に伝えるのはとても難しいなと感じました。社会に出たら、そのような機会が多くあると思うので、力をつけたいとも考えました。

これが人生初のインタビューだったこともあって、インタビューのメモの作成が甘かったり、箇条書きで書いたものを、話し言葉に変えなければならなかったり、難しかったと感じました。今回はグループでの作業だったため、何とかなりましたが、もし一人でやっていたら、今日中には完成しなかったと思います。

共生社会をつくっていくために

3回の授業を通して、共生社会について考えてきました。「共生社会をつくっていくために大切だと思うことは?」という質問は、1回目の授業のあとにもしています(1回目の内容:回答順不同)。授業以外の経験や今回のプチ講演、インタビューなどを経て、また新しい発想が生徒たちのなかに生まれているのが素敵です

障がいなど、誰かのサポートがどうしても必要になる方に共感することは、全員ができることではないと思いますし、難しいことですが、そのような方がいることを理解し、その中でも自分ができることなどを知ることが重要だと思いました。

また、インタビューの中で、富永さんもおっしゃっていた「誰かに雑談・相談する」ことは、自身の環境や仕事に関わらずできることだと思いますし、今後もさまざまな場所で必要になっていくことだと思いました。

一人ひとり助け合っていくことがすごく大事だと思いました。

みんなが同じステージで平等に生きていくというのは理想であって、実際はそう上手くはいかないものだと思っています。大切なのは、自分とは違う場所にいる人と手を取り合うことだと思います。どんな環境であっても、互いに支え合っていくと、人間がもっと楽に生きていける社会になると思います。

“知る”ことがまず大事だと思いました。やっぱり障がいのある方と関わるのは、自分も正直怖かったけど、アポロに行って、いっぱい話しかけてくれて考えが変わったし、まずは知ることが大切だと思いました。

私は共生社会のために必要だと思ったことは、偏見をそのままにせず、当事者の人の話をしっかりと聞くことです。

今回の講演やインタビューを通して、しっかりと話を聞かないとわからないことや、自分の考えていることが全然違うこともあるのを知りました。しっかりと話を聞くことは、お互いに気持ちよく、過ごしやすくなる共生社会になっていくのに大事だと思いました。

障がいのある人への偏見や常識をなくしてその人を見ること、何もできないと思わず、本人が一番やりたいことと思うことをさせてあげることが必要だと思いました。

偏見を持って接しないで、相手をいち個人の人間と思って接すること。マイナス面にばかり目を向けないこと。相手を理解する気持ち。

人は知識がないものに対して、恐怖が働いてしまうから、講演を聞く前は障がいを持っている子を育てる大変さとかマイナスな面に目を向けがちだったけど、講演を聞いてからは障がいを持っている子を育てることはプラスの面が多いことを知れた。社会で生きる全ての人がそういう知識をつけたら、共生社会が実現できると思った。

共生社会のために相手を考える気持ちが必要だと思いました。たとえば、障がいのある子に「なんでそうなるの」という思いを持たず、相手の立場に立って考える。そうしたら、相手のほうも考えていることを表現しやすくなるから、共生社会をつくるのには大事だと感じました。

共生社会のためには、相互の理解や尊重がとても大切だなと感じました。自分が自分のことだけを考えるのではなく、他者のことを思いやることでみんなが過ごしやすい社会になっていくとも思いました。

日常生活でも、仕事でも、それぞれに与えられた役割だったり、やっていいこと、だめなこと、得意、不得意を理解しあって、不平不満を減らして、だれもが気持ちよくすごせるようにすること。

3回の授業を通した感想

「高校生が福祉を伝える!」は全3回の授業でした。生徒のなかで「福祉」について、いろいろな想いが生まれてくれたようで、とても嬉しいです。

• 実際に現場で活躍されている方々のお話を聞くことができて、とても貴重な体験ができましたし、自分たちで考えた質問に丁寧に答えてくださったのが嬉しかったです。これは授業の事前準備のおかげだと思いますし、班のメンバーで協力したことで成り立ったことだと思いました。

• 今回、理学療法士の方からお話を聞くことができ、すごく勉強になりました。自分が聞きたかったことから、こんな質問できるんだってところまでたくさんインタビューすることができました。一番はじめの授業の内容はあまり覚えていないけど、とても自分にとってためになる授業の内容でした。また、理学療法士さんなどにインタビューできる機会があれば、今回質問できなかったことなどをしていきたいなと思いました。

• さまざまな人の話を聞いていくなかで、自分が思っていた、考えていたこととは異なる事実や意見を聞くことができた気がします。「障がい」という言葉を聞くと、どうしても自分たち健常者とは大きな壁を挟んだ存在のように感じてしまいます。しかし、実際は、もっと身近な存在であり、それ以前に同じ一人の人間です。自分から、偏見やイメージで壁をつくってしまっていたものを大きく変化させることのできた授業でした。社会福祉の教科ならではの貴重な時間でした。

• 最初のプチ講演はどの方も印象的で大事なことを学べました。特に印象に残っている言葉が内海智子さんが言っていた「大変さを楽しむ」という言葉が本当に素敵だなと思いました。自分は看護師になりたくて、大変なこともたくさんあるだろうけど、その大変さを楽しむことも大事なんだなと思いました。

• 3回の授業を通して、初めはどんなことを聞いたらいいのか悩んだり、インタビューをする際にはどう始めていいのか、どんな話し方で言ったらいいのか、どうまとめたらいいのか、すごく苦戦したのですが、次第に慣れて来たり、コツを掴めたりして楽しく、協力しながらできてよかったです。また、看護師以外にも興味深い講演を聞けて、すごくためになりました。

• 人の話を聞いて、まとめて記事にすることの大変さを今回の授業を通じて知れました。自分の興味のある人の話しかわからないと思っていたけれど、どの人も誰かのために行動している人が多く、自分も誰かのために動いていきたいなと思いました。

• 実際にインタビューして、記事を書くというのは経験があまりなく、どうなるかなと思ったけど、案外上手くできたと思うし、自分の知見も広められる良い機会になってよかったと感じました。

• インタビューでは、何を聞きたいかを明確に伝えられなくて、戸惑ってしまうこともあったけど、最終的にレポートとして、5人の文を上手くまとめて、講演を聞いてない人にも分かりやすく伝えられることができるんじゃないかと思った。

• 私はこの3回の授業を受けるまで、あまり障がいのことについて知らなかったけど、前よりは理解ができたのでよかったと感じました。まず、ある程度の知識をつけてゲームをしましたが、楽しくできて障がいのことに触れられて分かりやすいと思いました。そして、インタビューやその準備で「障がいのある子を育てるのは大変」だと考えていましたが、普通の子も大変なので、大変さは変わらないなど、自分の考えていたことが変わっていって良い体験になったと感じました。

• 3回の授業を通して、世の中には身体が不自由な人や自分が思うように話せない人など、いろいろな人がいることがわかりました。でも、そのときに、自分たち健常者はその人たちと壁をつくろうとします。そうではなくて、いろいろな人がいるのは当然だし、人間の一つの個性として、壁を作らないような社会になっていけたら、世の中はよりよくなっていくんだなと感じました。あと、世の中には、いろいろな職業があって、みんなそれぞれ誰かのために頑張っていることがわかった。

• 他の感想とかぶっているかもしれないが、インタビューの質問を考えている段階では、心臓がバクバクするほど緊張していたが、インタビューする回は、富永さんの人柄もあってか、とても聞きやすく、本職のすごさを感じれたし、自分も看護師になったら、これくらい相手を安心させられるような人になりたいと思った。

3回目の授業を終えて

初めてのインタビュー記事作成。生徒たちは「聞いた話を文字に起こすこと」の責任と難しさに直面しました。しかし、その「難しさ」を感じることこそが、相手の言葉を深く咀嚼し、読者に伝えるために必要な、とても誠実な時間だったと感じています

また、半年間の授業を通して、生徒たちのまなざしにも大きな変化がありました。1回目の授業では「不自由さをどう助けるか」という物理的なサポートに目が向いていましたが、今回の対話を経た彼らの言葉は、「心のバリアフリー」へと深まっていました

「勝手に壁を作っていたのは自分たちだった」
「助けるのではなく、お互いの得意不得意を補い合うこと」

生徒たちが導き出した答えは、教科書で学ぶ定義よりもずっとリアルで、共生社会の本質を突いたものでした。次世代を担う彼らが、福祉を「自分ごと」として捉えてくれたことをとても頼もしく思います

このあと、Ana Letterでは、生徒たちが作成したインタビュー記事を随時掲載していきます。高校生のまっすぐな視点と言葉で紡がれた記事を、ぜひお楽しみに!

障がいのアナの活動を応援する

WRITER

小川 優

大学で看護学を学び、卒業後は藤沢市立白浜養護学校の保健室に勤務する。障がいとは社会の中にあるのでは…と感じ、もっと現場の声や生きる命の価値を伝えたいとアナウンサーへ転身。地元のコミュニティFMをはじめ、情報を発信する専門家として活動する。

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