【藤沢清流高校】聴導犬・介助犬と関わる仕事をしている関水惠子さんにインタビュー!
この記事は、県立藤沢清流高校で社会福祉基礎の授業を受ける生徒が作成したインタビュー記事です。聴導犬・介助犬と関わる仕事をしている(ウェルフェアポート湘南、TerraceーTiPi)関水惠子さんのプチ講演を受けて、3年生の上田愛彩さん、佐藤詩音さん、千野愛弥さん、土屋采奈さん、藤井美羽さんが質問内容を作成し、取材をおこないました。
参考記事:
高校生が福祉を伝える!:1回目(授業)、2回目(インタビュー)、3回目(記事作成)
関水惠子さん
介助犬、聴導犬の育成団体「ウェルフェアポート湘南」のボランティアに25年近く携る。身体障がいや心の障がいのある方に寄り添い社会生活を送るサポートをしながら、介助犬を卒業した犬がいるカフェ「テラスティピィ」をオープン。人や犬たちのさまざまな情報の発信をしている。
【プチ講演の内容】
ほじょ犬の役割や活動について伺いました。ほじょ犬には、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」の3種類がいること、ワンちゃんを連れていることで、障がいに対して、周りの目が優しくなる効果があることなど、実際の様子を教えてもらいました。
仕事を始めたきっかけは?
30年前にラブラドール・レトリバーを飼っていて、しつけを頼んだことがきっかけで今の仕事に出会い、勉強していくうちに自分も手伝いたいと思ってやり始めました。
普通のワンちゃんとのしつけの違いは?
ほとんど変わりはありません。家庭犬であろうと、ほじょ犬であろうと、しつけの段階ではあまり変わりません。しつけと訓練は別なのよ。
ワンちゃんの一日のスケジュールは?
スケジュールは固定ではなく、月齢と犬種によって期間は違ってきます。介助犬の場合は、車いすの近くで遊ばせたり、物をとる練習をしたりするなどして、車いすに慣れさせていきます。
ほじょ犬は幸せだと思いますか?
「犬が働かされてかわいそう」と世間で言われたりしますが、家庭犬よりもご主人と一緒にいる時間が長く幸せだと思います。また、アイコンタクトで犬も人も幸せホルモンのオキシトシンが出ると、研究によってわかってきました。
どのくらいの期間でしつけをするのか?
2歳ぐらいまではしつけをしたり、様子を見ながら性格を把握していきます。2歳を過ぎた頃から、ほじょ犬トレーニングを始めていきます。
ほじょ犬に向いている犬種は?
動き回る子より大人しい子で、待っているときにリラックスしていられる子が良いです。また、車いすの横にいる介助犬の場合は、大きめの犬種のほうが良いです。
なぜ英語でしつけをするのか?
方言や男女で言葉の違いがあるためです。一律で揃えるために、手を使って合図を出すこともあります。
仕事をするうえで大変なことは何ですか?
ワンちゃんの適正を見極めるのが大変なのと、深い信頼関係を築いていくのが大変です。
仕事のやりがい、大切にしていることは何ですか?
カフェをオープンしたり、イベントブースを使わせていただいたりして、ほじょ犬についてたくさんの人に知ってもらえることや、学校での講演を通して、理解を深めてもらうことにやりがいを感じています。
インタビューを終えて
この記事は県立藤沢清流高校の3年生の上田愛彩さん、佐藤詩音さん、千野愛弥さん、土屋采奈さん、藤井美羽さんがインタビューをおこない、作成しました!
インタビューをしてみて、「ほじょ犬は、家庭犬より飼い主さんといる時間が長いから幸せだと思う」という言葉を聞いて、見方を変えるといいことがたくさんあるということに心が動きました。
ほじょ犬について何も知識がなかったけれど、話をたくさん聞いて、家庭犬とあまり変わりがないことを知り、特別感があったけれど、それも自分の思い込みだったなと感じました。
(3年 上田愛彩さん)
ほじょ犬のことをあまりよく知らなかったのですが、話を聞いて、ほかの犬と接し方は変わらないことや、ほじょ犬の卒業後のことなど知らないことをたくさん知ることができて良かったです。
(3年 佐藤詩音さん)
私自身、「ほじょ犬はが少しかわいそう」と思ってしまっていたのですが、話を聞いて、お家のワンちゃんと同じくらい幸せなのだなと知れて、嬉しかったです。ほじょ犬のことだけでなく、ワンちゃんのしつけ方も知れて楽しかったです。
(3年 千野愛弥さん)
インタビューをする前は、聴導犬や介助犬はしつけの段階から、普通のワンちゃんと違うことをすると思っていましたが、インタビューを経て、飼い主(ユーザー)さんのことを好きと思う気持ちや信頼関係、やっていいことを悪いことなどの基本的なしつけはどの犬も共通だということがわかりました。それと同時に、しつけと訓練は全くの別物だということを学べました。
大好きなユーザーさんと常に一緒に行動している聴導犬・介助犬たちは、私たちが思っている以上に幸せを感じているかもしれないという話を聞き、聴導犬・介助犬たちに向けられている「働かせられている」といった声は間違っているのだなと改めて感じることができました。関水さんはワンちゃんたちの情報を発信する場としてカフェを開いていると聞き、私も足を運んで、たくさんのワンちゃんと触れ合いたいと思いました。
(3年 土屋采奈さん)
インタビューをしてみて、ほじょ犬を育てるにしても、家庭のワンちゃんを育てるにしても、1番大切なのは犬と人間の強い信頼関係なのだなということがすごく伝わりました。
「ほじょ犬はずっと仕事でかわいそう、大変そう」と思ったことがある人に伝えたいことは、家庭犬はお留守番などがあって、一日中一緒にいることは難しいけれど、逆にほじょ犬はどこに行くにもずっと一緒で、お留守番するということがないため、大好きな飼い主とずっと一緒にいられてとても幸せということです。
犬にはお仕事という考えはなくて、ただひたすらに飼い主の助けや、飼い主に褒めて欲しくて、ほじょ犬としてのお手伝いをしていると聞いて、とても感動しました。
(3年 藤井美羽さん)