コラム

【活動報告】横浜瀬谷高校「自閉症を知る」(ゲスト講師:黒澤綾野さん、礼くん)

神奈川県立横浜瀬谷高校と共生社会プロジェクトをおこなっています。

1月29日(月)は、ORIインクルーシブミュージック実行委員長の黒澤綾野さんと礼くんにゲスト講師として来ていただきました

これまでの授業の様子:11/271/151/22

横浜瀬谷高校とのコラボレーション

横浜瀬谷高校の2年生は「総合的な探究の時間」のなかで16プロジェクトに分かれ、探究学習を進めています。共生社会プロジェクトには14名の生徒が参加し、多くの人が暮らしやすい地域を目指して、共生社会について学んでいます。

障がいのアナは、そのプロジェクトの一部をお手伝いしています。生徒たちに新しい気づきと考える力を養ってもらえるよう、楽しい授業をつくっていきたいと考えています

授業の内容

今回は、ORIインクルーシブミュージック実行委員長であり、自閉症の子を育てる母である、黒澤綾野さんと息子の礼くんにゲスト講師をお願いしました。礼くんには、自閉スペクトラム症と知的障がいという特徴があります。

授業の内容は、【ミニ講演】、【一緒に遊ぶ】、【振り返り・質問タイム】です。

ミニ講演

自己紹介に始まり、母として経験してきたエピソードや自閉症について、お話ししてもらいました

長男である礼くんは、言葉が遅い、目線が合わない、コミュニケーションの難しさから、2歳半のときに「自閉症」と診断されました。

「周りの子どもと比べてはいけない」と思っても、周りの子たちと成長を比べてしまう当時の心情や、買い物や予防接種など、日頃のエピソードを話してくれました。

自閉症の特徴を、実際の礼くんの様子をもとに、わかりやすく紹介。大きな声が出てしまうことや本人の感じる感覚、好きなことや得意なことなど、礼くんのさまざまな特徴を教えてもらいました。

生徒たちは、知らなかった内容も多く、興味深く話を聞いていました。礼くんには教室のなかで自由に過ごしてもらったので、生徒たちの席の近くに行くなど、ミニ講演のなかでも交流が生まれていました

一緒に遊ぶ

授業の後半は、学校の近くにある公園へ!

興味のあるものが見えるとパッと走ったり、瞬間的な動きがあることを、一緒に歩きながら教えてもらいました。

公園につくと、走ったり、滑り台をしたり、ブランコをしたり…

一緒の空間で楽しむことができました。適度な距離感を保ちながら、感覚として「礼くんは何が好きなのか」「礼くんはこんな子なんだ」というのを生徒たちはキャッチできたと思います

帰り道は、行きよりもお互いのことがわかるようになっている印象でした。

振り返り・質問タイム

質問タイムでは「洋服や食べ物などで気をつけること」について、質問がありました。また、授業が終わったあとに、ササッと質問にきてくれた生徒もいました。

社会のなかには、いろいろな障がいのある人がいること、そして、同じ障がいであっても、さまざまな症状がある人がいることを教えてもらいました。

「知る」ことで、想像できることが増えていきます。子どもだけでなく、大人でも同じような特徴のある人がいることも教えてもらい、日々の暮らしを考えるきっかけをもらいました

感じたこと・気づいたこと

生徒たちは、このような気づきを感想として寄せてくれました。感想の一部を紹介します。

叫んだりするのは、自分の感覚を確認するためだと分かった。

公園で少しでも目を離すと、遠くに行ってしまったので、注意が必要だと感じた。

自閉症は今まで知的障がいだけだと思っていたが、腕の感覚が鈍いなどの障がいがあるのを初めて知った。

実際に触れ合い、お母さんが大変そうだなという印象を受けました。

自閉症という一つの障がいでも人それぞれ違う症状があり、ダウン症などと違い、見た目では分かりにくいため、その分苦労もあるのだなと気づいた。

自閉症は最初生まれたときから分かるものではなく、突然、発覚するものだと知りました。

また、自分のルーティーン通りにいかないと暴れてしまったりと大変なことがあることも知りました。

公共の場で叫んでしまって、おじさんにうるさいと言われてしまったというエピソードを聞いて、バリアフリーは増えてきているのに、まだそんなに差別があるのかと思うと、心が痛くなった。

感覚とこだわりを大切にしてあげることが関わるなかで意識しておくべきことと学びました。

怪我に気がつけなかったり、自分の存在が感じられないから叫んだり、そういう相手の感性を知れる体験のようなものをしてみたいです。

くしゃくしゃのタオルを大切にしたり、そういうこだわりも肌触りが良いなど意味があるので、意見をよく聞いてあげることも大切だと学びました。

自閉症のある人をSNSで見たことはあったけれど、実際に関わるのは今日が初めてだった。

自閉症の特性は人によって違うけれど、発達の遅れや多動症、こだわりが強いなどがあると知った。一緒に外に出てみて、興味があるものがあると車が通っていても走り出してしまうなど危ない場面が多くあると思った。

公園に着いてからも公園の外に出てしまわないか、他の子どもたちとトラブルを起こしてしまわないかなど当事者の家族は一時も目を離せないのだなと感じた。

礼くんはお母さんの言っていることを理解出来ている部分があったけれど、ほとんどコミュニケーションを取ることが出来ない人であれば危ないところにも平気で走っていってしまうのではと思った。

社会の理解が得られないことや、得られても解決が難しいことが多く、課題は多いと感じた。

話を聞いている限りではかなり大変そうで、公園へ遊びに行くとなったときにもトラブルがあるかもしれないと思っていたが、そんなことはなく、遊んでいる分には普通の子どもだった。

今後に活かしていきたいこと

生徒たちは、このような想いを寄せてくれました。感想の一部を紹介します。

最初から偏見の目で見ないようにする。

前を先導してあげることで安全性が上がることがわかった。

自閉症の人について知ることが一番いい共生の方向だと思ったので、それを意識したい。

今後、もし自閉症の方と関わるときがあったら、それぞれの方の特徴を理解した上で、接し方を変えられるようにしたいと思いました。

自閉症という障がいの症状やどのように対応するべきなのかを知ったので、活かしていきたい。

自閉症の人との関わり合い方や接し方、ふれあい方など色々なことが知れたので、これを活かして輪を広げていきたいです。

自閉症は目に見えにくく、理解されないことも多いと思うから、公共の場でそういう人を見つけた場合、遠ざけるのではなく、温かく見守ってあげることが大事なのだと思った。

自閉症だからこそ、才能がある場合もあるということを知りました。その才能を見つける機会がもっと世の中にあれば世間の人の意識も変わっていくのかなと感じました。

なので、そういう機会を提供できるサービスの充実のために、何かできることを探していきたいと思いました。日常生活の補助だけでなく、さらにその先の生きている楽しさをより増やせるようなサービスも、世の中にもっとあっていいと思いました。

今回の授業を聞いて、お母さんは礼くんが自閉症でなかったら自閉症についてよく知らないままだったと言っていた。

また、最近も礼くんが大きな声を出してしまったときに知らない人から注意を受けていたと聞いて、まずは周りが自閉症やその他の発達障がいなどについて理解することが大切だと思った。

さまざまな障がいについて情報を発信し、理解を得やすくなる環境をつくることで、少しでも、多くの人が生きやすい工夫ができるようになると思った。

また、今後はより障がいやバリアフリーについて興味を持とうと思った。

もし自分の子供が自閉症などの障がいがあっても、ちゃんと育ててあげようと思えた。

授業にご協力いただきました、ORIインクルーシブミュージックの黒澤綾野さん、礼くん、ありがとうございました!

次回(2月5日)は、視覚障がいの方と関わる授業です。

WRITER

小川 優

大学で看護学を学び、卒業後は藤沢市立白浜養護学校の保健室に勤務する。障がいとは社会の中にあるのでは…と感じ、もっと現場の声や生きる命の価値を伝えたいとアナウンサーへ転身。地元のコミュニティFMをはじめ、情報を発信する専門家として活動する。

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