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【インタビュー】高校生が福祉を伝える!藤沢市の高校生が市内の障がい福祉を取材し、共生社会のあり方を考える(第2回目)

令和5年の新たな取組みとして、神奈川県立藤沢清流高校とのコラボレーションをおこなっています。10月19日(木)はその第2回目として、高校生自身が藤沢市内で活動する福祉職にインタビューをしました。

第1回目の様子はこちら

藤沢清流高校とのコラボレーション

藤沢清流高校には自由選択科目「社会福祉基礎」があり、生徒自らが福祉に関心を抱き、学習できる環境が整っています。今年度「社会福祉基礎」の授業を3日間いただき、藤沢の福祉や共生社会のあり方を考える講義、藤沢市内の障がい福祉に関わる方へのインタビュー、Ana Letterの記事を作成し情報発信をおこなっています。

この取組みは、次世代を担う高校生自らが藤沢の福祉に関心を抱き、高校生の視点で障がい福祉を捉え、高校生の言葉で発信していくことを大切にしています。また、これを機に、藤沢清流高校の生徒たちが藤沢市とさらにつながってくれたらと願っています。

全体の流れ

この授業は、以下のように、全3回で実施します。

第1回[2023年5月11日(木)]
障がいのアナ代表による2時間の講義。ゲームを用いながら、心のバリアフリーや共生社会のあり方を考えるきっかけづくりをおこなう。10月におこなうインタビューに向けて、藤沢の福祉や取材の心得についても授業の中で触れていく。

・第2回[2023年10月19日]
藤沢市内で障がい福祉に携わる方を中心にインタビューにご協力いただき、学校内で生徒自らが各々作成した質問項目をもとにインタビューをおこなう。

・第3回[2023年10月26日]
インタビュー内容をもとに記事を完成させ、地域福祉や共生社会についての考えを「Ana Letter」の記事で発信する。

2回目の様子を紹介!

授業の内容

生徒たちは、理学療法士と手話通訳士へのインタビューを希望しました。当日、ご協力いただいたのは、理学療法士の宮﨑さやかさんと手話通訳士の小菅秀さんです。おふたりには、授業の前半で15分間のプチ講演をおこなっていただきました。

理学療法士 宮﨑さやかさん(理学療法士歴13年)
湘南・県央エリアで『我が子の発達の【気になる】を直ぐに相談できる教室【つきのわ】』を開設。フリーランスの小児理学療法士として家族に寄り添い、活動している。

手話通訳士 小菅秀さん(手話通訳士・者歴11年)
神奈川県聴覚障害者協会職員、神奈川県手話通訳者協会役員、しゅわまる事務局。見えない障がいである聴覚障がい、ろう重複障がい者の福祉向上などのため、活動している。

おふたりには『仕事の楽しさや魅力』について、話してもらいました

宮﨑さやかさんは、「気軽に発達相談ができる」をコンセプトに、フリーランスで働いている内容を話してくれました。講演ではスライドを使用し、写真などを使ってわかりやすく、日頃の仕事の様子を紹介してくれました。

小菅秀さんは、聴覚障がい者の文化や世界観をわかりやすく紹介し、手話通訳士としてできることを、終始「手話」とともに話してくれました。また、これまでの多くの経験や人脈が、今の仕事にも活きていることも印象的でした。

プチ講演のあとは、その内容をもとに、2つのチームに分かれて、インタビュー内容を作成。何を聞きたいか、何を読者に伝えたいかを考えながら、質問項目を作成しました。

いよいよ取材スタート!
目をキラキラさせながら、質問をする姿が印象的でした。

宮﨑さやかさんチーム

小菅秀さんチーム

当日の様子をタウンニュースさんが記事にしてくれています。(タウンニュースの記事はこちら

理学療法士 宮﨑さやかさんの講演への感想

自分が将来やりたいと思っている、どストレートの方が来てくれて、本当に嬉しかったです!子どもを対象にした理学療法士が思ったよりも少なくてビックリしたし、すごく大変そうだなと思いましたが、それと同時に、楽しそうだな、やりがいがありそうだな、とプラスの想いも出てきました。

接するのが難しかったり、距離感を掴むのが難しかったりするかもしれないけれど、宮﨑さんの話を聞いて、よりいっそう、将来、子どもの理学療法士になりたいと思いました!

講演を聞いて、将来に役立つ知識や実際におこなっている親向けのイベントの写真などを見て、ただリハビリするだけが理学療法士の仕事ではないのだと思いました

将来、自分も理学療法士になるのが夢なので、とてもためになりました

理学療法士といったら、病院で働くイメージだったけれど、宮﨑さんのお話を聞いて、さまざまな場所で活躍できる職業だと思いました

改めて、魅力的な職業である理学療法士になりたいと思いました

宮﨑さんは、理学療法士の中でも病院で働くのではなく、子どもの成長に悩むお父さんお母さんを実際に訪問してサポートしたり、相談できる場所をつくったりして活動していました。理学療法士といったら、病院で働くというイメージしかなかったので、すごく驚きました。

また、宮﨑さんが、ただ理学療法士になりたいではなく、「どんな理学療法士になりたいか」を考えると良いと言っていたのがすごく印象に残りました。私も、将来、助産師になりたいと考えているので、どんな助産師になりたいのか、しっかりと向き合って考えていこうと思いました

私は一時期、理学療法士になりたいなと思っていたこともあり、すごく楽しみにしていた講演でした。

私の知っている理学療法士は、病院でケガをしてしまった人を治すサポートをする印象しかなく、子どものリハビリも病院だけでやるのかと思っていました。でも、自宅訪問をして、子どもの発達状態をみて、アドバイスをしたり、気軽に相談ができたり…と親にとっていいことばかりで、とても楽しく話を聞けました。

手話通訳士 小菅秀さんの講座への感想

手話通訳士になるまで、さまざまなことを体験していて、すごくビックリしました。小菅さんの話を聞いていて人生は何があるかわからないのだなと思いました

簡単な手話を自分も勉強してみたいなと思いました。手話は遠い存在なのかなと思っていたけれど、話を聞いてみて、そんなに遠い存在ではなく、もっと身近なものなのだと思ったし、気づきました

とてもお話が面白くて、海外に行ったり、たくさんのことを経験されていて行動力がすごいと思いました

国や地域によって手話の種類が違うと聞いて、すべて覚えるのがとても大変だと思いました。

最初から最後まで口と手を同時に動かしていて、手話通訳士というお仕事のすごさについて、改めて、目の前で感じられました

小菅さんの講演を受けるまでは日本語の手話は全国共通だと思っていたけれど、学校ごとに違ったり、細かい違いがあることを知りました。

小菅さんは手話をやり始めたときに、海外へ行ったときのようなワクワクがあったと言っていました。異文化を学ぶというと、海外の文化を学ぶことと勝手に結びつけてしまっていたが、手話を学ぶことも異文化を学ぶことなのだと気づかされました

私の身の回りにはまだまだ知らない文化などが、気づいていないだけでたくさんあると思うので、いろいろなことに興味を持ち、学んでいきたいと思いました

いろいろなことにチャレンジをしていて、すごく楽しそうだなと思えました。すごいなと思ったのは、アメリカに行く予定だったのに、従姉妹の子どもがダウン症でコミュニケーションと取るために手話の道に切り替えて、手話通訳士・者になったです。

そこで手話を通じて学んだことや、手話は外国語と同じように異文化で違う言語を学ぶということにすごく興味を持ちました

インタビューをしてみた感想

【宮﨑さやかさんへのインタビュー】
質問の深掘りがすごく難しかった。自分が将来就こうと思っている職業だったから聞いていると「なるほど」と思うことがあって、どう深掘りしていいか分からなかった。インタビューする人がたくさん会話を広げていかないといけないと思うのに、インタビューされる人にすごく助けていただきました

宮﨑さんがとても明るくて話しやすく、雑談できたり、気軽に質問ができて、とてもインタビューしていて楽しかった。インタビュー中に書くのが間に合わず、大切なところだけを書いた。

質問する側、質問される側、どちらも笑顔で話すことで明るく楽しいインタビューになったと思う。はじめにした質問からどんどん広げていくことで、さらに深い学びになった

【小菅秀さんへのインタビュー】
●話を広げるのがすごく難しかった。小菅さんが今まで生きてきて学んだ経験などを分けていただく感じですごく楽しかったです

●はじめは、話し終わったら、すぐ沈黙ができてしまって、どうしようどうしようと考えて、次、何を言えば良いのか、話している間に頭で次の質問を考えないといけないのがすごく大変で難しかった。それに、人にインタビューをしながら、プリントに書くという作業がとても難しく、自分は違うことを同時にやるのが苦手なので大変でした。

2回目の授業を終えて

プチ講演やインタビューでは、終始、生徒たちがワクワクしながら、目を輝かせ、前のめりになって話を聞いているのが印象的でした。5月の第1回目の授業のあと、生徒たち自身に『どのような相手にインタビューしたいか』を考えてもらったのが良かったのだと思います。

「自分の気になる相手に、気になることを聞ける」これは学びの原点であると感じました。取材にご協力いただいた宮﨑さやかさん、小菅秀さんに感謝するとともに、「知る喜び」を2時間の授業の中で存分に見せてくれた5人の生徒たちに心から感謝です。

3回目の授業ではインタビューの内容をもとに、記事の作成をおこないました。気になる生徒さんたちの記事は、Ana Letterのサイト内で掲載します。楽しみにしていてください!

WRITER

小川 優

大学で看護学を学び、卒業後は藤沢市立白浜養護学校の保健室に勤務する。障がいとは社会の中にあるのでは…と感じ、もっと現場の声や生きる命の価値を伝えたいとアナウンサーへ転身。地元のコミュニティFMをはじめ、情報を発信する専門家として活動する。

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