コラム

高校生が福祉を伝える!藤沢市の高校生が市内の障がい福祉を取材し、共生社会のあり方を考える(第1回目)

令和5年の新たな取組みとして、神奈川県立藤沢清流高校とのコラボレーションが始まります。

共生社会について考える座学をはじめ、高校生自身がテーマを決めて藤沢市内の障がい福祉を取材し、「Ana Letter」を通して発信していきます。

藤沢清流高校とのコラボレーション

藤沢清流高校には自由選択科目「社会福祉基礎」があり、生徒自らが福祉に関心を抱き、学習できる環境が整っています。今年度「社会福祉基礎」の授業を3日間いただき、藤沢の福祉や共生社会のあり方を考える講義、藤沢市内の障がい福祉に関わる方へのインタビュー、Ana Letterの記事を作成し情報発信をおこなっていきます。

この取組みは、次世代を担う高校生自らが藤沢の福祉に関心を抱き、高校生の視点で障がい福祉を捉え、高校生の言葉で発信していくことを大切にしています。また、これを機に、藤沢清流高校の生徒たちが藤沢市とさらにつながってくれたらと願っています。

全体の流れ

この授業は、以下のように、全3回で実施します。

・第1回[2023年5月11日(木)]
障がいのアナ代表による2時間の講義。ゲームを用いながら、心のバリアフリーや共生社会のあり方を考えるきっかけづくりをおこなう。10月におこなうインタビューに向けて、藤沢の福祉や取材の心得についても授業の中で触れていく。

・第2回[2023年10月]
藤沢市内で障がい福祉に携わる方を中心にインタビューにご協力いただき、学校内で生徒自らが各々作成した質問項目をもとにインタビューをおこなう。(予定)

・第3回[2023年10月]
インタビュー内容をもとに記事を完成させ、お互いに発表し合い、地域福祉や共生社会についての考えを伝え合う。(予定)

1回目の様子を紹介!

授業の内容

使用したスライドの一部を紹介します。また、授業の中では共生社会に近づくゲーム「ワンダーワールドツアー」をおこないました。生徒たちは、ゲームが始まると笑いあい、声を掛け合い、助け合い、無事に時間内にミッションをクリアしました。

このゲームは(詳細は下記)、参加者がいろいろな特徴をもった人になりきり、協力します。特徴を見ると「助けてもらう立場」のように思えますが、同時に「助ける立場」でもあります。その体験を通して、本質的な「助け合う」を体感できているようでした。

すべてのスライドを見るには、こちらをクリック

ワンダーワールドツアー

共生社会に近づくゲーム「ワンダーワールドツアー」を授業で使用しました。「ワンダーワールドツアー」は、共生社会の実現に向けて、いろいろな特徴をもった旅行者になりきり、多様なメンバーと一緒に時間内にミッションをクリアするゲームです。

詳細は公式サイトをご覧ください。
ワンダーワールドツアー

「ワンダーワールドツアー」をやってみて、どうだった?

相手のできないことをきちんと把握し、その人にどうやってサポートすればいいのかを考えられた。私は「小指が使えない旅行者」で、小指が使えなかったから、みんながカードを取ってくれたり、「やるよ」と言ってくれてすごく嬉しかった

「機会を求める旅行者」になって、特別、何かに障がいがあって助けが必要なわけではなかったけれど、手札の枚数が少なかったので、周りに助けを求めないといけなかった。そういうときに、誰かに気づいてもらうのを待つのではなく、自分から話しかけて、助けを求めたほうがいいんだなと思った

他のメンバーはもっと助けが必要な人もいたから、自分も助けてもらうけれど、助ける側に回るなど、自分から行動することも大切だと学べた

「声を出せない旅行者」になり、みんなの会話に入れなかったり、自分の思っていることを声に出せないことが、こんなにももどかしくてつらいんだと感じた。それと同時に、周りが話を振ってくれるのをすごくありがたく感じた

現実社会でも、声を全く出せない人だけではなく、会話に入るのが苦手な人などいろいろな人がいると思うので、周りをみて気づく、そして、行動に移すことが大切だと思った

自分は「みんなを助けたい旅行者」だったので、介護をする人はこんな気持ちかと思い、やりがいがあった。助けたときも「ありがとう」と言ってもらえて、とても良い気分になった

行動に制限があるゲームなので、全員がカードを揃えてクリアするまでに時間が結構かかると思ったが、小指しか使えない人のカードをめくるのを協力したり、声を出せない人が紙に書いてくれたことを代わりに読みあげたり、カードが2枚しかない人にプレゼントしたり、それぞれが協力しあうことでゲームがスムーズに進んでいった

このゲームをしてみて、障がいのある人を周りがサポートすることで全員が暮らしやすい社会になってほしいと思った

共生社会をつくっていくために

生徒たちは、心のバリアフリーに関する講義や「ワンダーワールドツアー」を体験し、いろいろな特徴のある人たちがともに生きるためには何が大切かを考えてくれました

「共生社会」をつくっていくために大切だと思うことは?

人によって、どこがうまく使えて、うまく使えないかが全然違うから、段差をなくすことも大切だけど、逆にその段差があることによって助かる人もいるかもしれない。何でもなくすことが共生社会になるとは限らないから、意見と取り入れていくのが大切だと思った

バリアフリーになっていても、できる人とやることが難しい人はどうしても別れてしまうと思う。その中で、できる人がどんどん助けていかないとキッパリと2つに別れてしまうから、何かをやることが難しい人が手助けを求めようとする前に自分から助けにいくべきだなと思ったし、もっと周りを見るべきなんだと思った

共生社会をつくるために大切なことは、お互いを理解し合うことかなと思いました。障がいのある方を見かけたときも「障がい者」と、ひとつのくくりでその人を見るのではなく、ひとりの人として、その人が何に困っていて、どんな助けが必要なのか想像して理解することが大切だと思った。そして、行動して助け合っていけば、みんなが生きやすい世の中になっていくのかなと思った。

助け合うことが一番だと思う。助け合うことで、助けられた側は嬉しいし、助けた側は感謝されて、一石二鳥になる

障がいのある人がひとりでも出掛けられるような街づくりや配慮が必要だと思った。障がいにもさまざまな種類があるので、どんな人にでも対応させていくことが大切だと思う。

また、環境を整えるだけではなく、周りが冷めたい対応をせず、あたたかく接することで、心にも余裕がうまれて、お互いに生きやすくなると思う。一人ひとりが相手に対して優しさをもって協力して行動することで、誰もが生きやすい社会になっていくと思うので、想いやりが大切だと思う。

授業の感想

●自分が思っているよりも、福祉ってすごく大変だけど、いいことなんだなと思いました。普段、何気なく話している言葉も相手にとっては嫌に感じることもあって、言葉選びがすごく難しくて、それを伝えるってなるとより大変なんだなと思いました。でも、大変だからといって言葉選びを全然しない状態だと相手を簡単に傷つけてしまうかもしれないから、できるだけ相手に合った言葉を選んで話せるようにしたいと思いました。これから普段の生活で困っている人がいたら、自分から積極的に助けにいけるようになりたいと思いました。

●こんなに深く福祉について考えることがなく、ゲームをするとなったとき、このゲームだけで、実際に障がいのある方と接しているようになれるのか、すごくドキドキで分かっていなかったけど、ゲームを通して、こういう障がいの方には、こういうサポートが必要なんだ、こうしないと手助けにならないんだと初めて気がつく部分が多くありました。実際にそのような方々と接してないから、言葉で気づくだけでなくて、行動で気づいてあげなければ意味がないのかなと思いました。街中で見知らぬ人が困っている場合、助けてあげる。それも相手が自分に助けを求めてくる前に自分が気づいてあげるべきだと思います

●小川さんの話を聞いて1番印象に残ったことは、インタビューは「人生の一部をわけてもらうこと」と話されていたことです。いろんな人と話すことで、その人たちの生き方などを知ることができ、自分自身も成長できるなと思いました。それを実際にインタビューし、世の中に発信する取り組みをしていらっしゃる小川さんはすごいなと思いました。私自身もいろんな人と関わり、コミュニケーションを取り、いろんな人の人生を知りたいなと思いました。

●みんなでゲームをしたりしたので楽しく学べたし、内容もすらすら頭に入ってきた。これからインタビューをするので、インタビューの仕方を聞いて、どんな内容にしようか楽しみになった

●今回の授業を受けてみて、バリアフリーとは物や施設に使う言葉だと思っていたけど、心に対してもバリアフリーという言葉があることを知った。何かを伝えるときには、丁寧に傷つけない言葉を選ぶことが大切だと思った。ワンダーワールドツアーでは、自分は老人で肘を曲げられない人をしてみて、自由に動かせなかったり、カードを引くときにはイスを引いて、手を伸ばせる範囲を調整したりするのが、とても大変だった。私はゲームのときにしか体験できなかったけど、肘が曲げられなければ、トイレ、お風呂、ハミガキ、食事など、基本的な日常生活すらできないので、周りがしっかりとサポートしていかなければいけないと思った。ゲームを通して、さまざまな障がいの大変さについて考えることができた

今後の予定

次回は、10月に2週連続で2コマの授業をおこなう予定です。その中で、インタビューと記事作成をおこないます。1回目の授業を受けて、生徒たちはインタビューしたい相手として、「手話通訳士」「理学療法士」を選択しました。職業選択とも大きく関わっているように感じます。

今後、障がいのアナでは、藤沢市内で障がい福祉と関わる手話通訳士さんや理学療法士さんにお声がけをしていきたいと思います。「高校生が福祉を伝える!」にご協力いただける上記職種の方がいらっしゃいましたら、ご連絡をいただけると嬉しいです。

WRITER

小川 優

大学で看護学を学び、卒業後は藤沢市立白浜養護学校の保健室に勤務する。障がいとは社会の中にあるのでは…と感じ、もっと現場の声や生きる命の価値を伝えたいとアナウンサーへ転身。地元のコミュニティFMをはじめ、情報を発信する専門家として活動する。

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