【専門用語説明】「おーい」と呼べる距離にあなたがいる、在宅医療
このページでは、「おーい」と呼べる距離にあなたがいる、在宅医療(川見 聡さん・八千代さん)の記事の中に出てくる専門用語を説明しています。
記事と合わせて、お読みください。
クローン病
クローン病は、炎症性腸疾患(大腸や小腸の粘膜に、慢性の炎症や潰瘍をひきおこす原因不明の病気)のひとつで、厚労省の指定難病。
若い人に多くみられ、特に小腸と大腸を中心とし、小腸の末端部位に炎症や潰瘍を起こしやすい。症状は、腹痛や下痢、血便、体重減少など。クローン病の治療には、薬物療法や外科的手術もあるが、食事(栄養療法)が重要。一般的に、病気の悪化には動物性脂肪が関係しているため、低脂肪・ 低残渣(腸の中に残りにくい)の食事が勧められている。
パーキンソン病
中脳にあるドパミン神経細胞が減ることで、身体が動きにくくなり、ふるえが起きやすくなる、厚労省の指定難病。
パーキンソン病は「振戦(ふるえ)」「動作緩慢(ゆっくりとした動き)」、「筋強剛・筋固縮(かたくぎこちない動き)」、「姿勢保持障害(転びやすい)」といった運動症状がでるのが特徴。50歳以上で起こりやすく、40歳以下で起こる場合には、若年性パーキンソン病と呼ぶ。基本は薬物療法で、減ってしまったドパミンを補う治療をおこなう。
細菌性髄膜炎
髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザを除く、細菌の感染により引き起こされる髄膜の感染症。発熱、嘔吐、頭痛などがおもな症状。
誤嚥性肺炎
病気や老化等が原因で飲みこむ機能が衰えることにより、本来、気管に入ってはいけない物が気管に入り(誤嚥)、肺炎をおこすこと。
ストマ(ストーマ)
人工肛門や人工膀胱のこと。人工肛門や人工膀胱に造設する手術をおこなうと、排せつ物はその穴から出てくることになる。ストマ装具と呼ばれる袋をつけ、排せつ物を袋の中に溜め、一定量たまったところで、ストマ装具を交換するなど、排せつ物を管理する必要がある(ストマ管理・ストマケア)。
もっと詳しく(日本創傷・オストミー・失禁管理学会HP「ストーマケア」)
CVポート
中心静脈カテーテルの一種で、 皮膚の下に埋め込んで薬剤を投与するために使用する。首や鎖骨の下の血管からカテーテルを入れて、胸の皮膚の下に直径2~3cmの円盤状のタンク(ポート)を埋め込む。カテーテルの先端は、心臓近くの太い血管に留まるように設置し、 点滴などの薬剤を注入するときには、ポートに針を刺して、入れていきます。抗がん剤などの化学療法に用いられるだけでなく、中心静脈栄養が長期的に必要な場合にも用いられる。
もっと詳しく(東戸塚記念病院HP「CVポート・PICCとは」)
PICC
中心静脈カテーテルの一種で、通常、上腕からカテーテルを挿入する。他の中心静脈カテーテルよりも簡単に挿入でき、挿入後の感染のリスクが少ないことも特徴。CVポートで感染を起こした場合やCVポートへの抵抗がある場合、PICCに切り替えることがある。
もっと詳しく(東戸塚記念病院HP「CVポート・PICCとは」)
ポート感染(CVポート感染)
CVポートを利用していると、起こりうる合併症の一つが「感染」。CVポート管理では、清潔操作の徹底が必要になる。ポート周辺の発赤や腫脹を確認し、原因不明の発熱がある場合には、ポートからの血流感染を疑うのが一般的といえる。
もっと詳しく(市立札幌病院pdf資料「病院感染対策マニュアル」)
医療的ケア
医療的ケアとは、痰の吸引や経管栄養の注入など、日常生活をする上で必要とされる医療的な生活援助行為のこと。
ケアマネジャー
要介護者や要支援者の認定を受けた方の相談に応じ、心身の状況に合わせて、必要な介護保険サービスを受けられるようにケアプランを作る。市町村・サービスをおこなう施設等と連絡調整をおこなう。
もっと詳しく(厚労省pdf資料「介護支援専門員(ケアマネジャー)」)
訪問看護
病気やケガにより、居宅で、継続して治療などを受ける必要がある方に対して、看護師等が療養上の世話や必要な診療の補助を行うこと。病院や診療所、訪問看護ステーションがそのサービスを担うことができる。
看護小規模多機能型居宅介護(略:看多機(かんたき))
医療依存度の高い方や退院直後で状態が不安定な方など、住み慣れた自宅での療養を支える介護保険サービス。主治医と連携し、医療処置も含めた多様なサービス(訪問看護、訪問介護、通い、泊まり)を24時間365日提供する。