コラム

12/13「公園の新しいスタイルをみんなで考えよう!」イベントレポート

12/13、藤沢市の市民活動団体インクルーシブひろば~みんなおなじ空の下~」が主催するワークショップ「公園の新しいスタイルをみんなで考えよう!」にお邪魔しました。

障がいがある子もない子も、同じ遊具で一緒に遊べる「インクルーシブ公園」を藤沢市内に広めるための活動は、始まったばかり。今回はそのキックオフイベントでした。

ちなみに「インクルーシブ(inclusive)」は日本語にすると、包括的な、包み込むような、仲間外れにしない、といった意味になります。教育や福祉の分野でよく見かけます。

それでは、当日の様子ダイジェストでどうぞ!

「インクルーシブひろば〜みんなおなじ空の下〜」代表の鈴木理恵子さん

代表の鈴木さんの双子の息子さんは進行性の難病をお持ちで、車いすを使っています。

他の子と同じように公園で遊ばせられない、周囲とコミュニケーションが取りにくい、ということに直面。障がいのあるお子さんを育てる中で、社会のさまざまな部分の見え方が変わっていったそうです。

8月に都内初のインクルーシブ公園「砧公園みんなのひろば」に遊びに行き感銘を受け、地元藤沢にもインクルーシブ公園を作りたいとの思いから、市民活動団体を立ち上げました。

その時のことをブログにまとめられています。

インクルーシブ公園の普及に取り組む都議の龍円あいりさん

都内初のインクルーシブ公園「砧公園みんなのひろば」の設置に尽力された、東京都議会議員の龍円さんより、カリフォルニア州の事例や、砧公園みんなのひろばのご紹介がありました。

また、インクルーシブ公園は「ユニバーサルデザイン」の中でも「一緒に混ざり合いながら楽しめる」領域を指していると、分かりやすくご説明いただきました。

龍円さんご自身も、ダウン症の息子さんの子育て真っ最中です。

「新しい公園のスタイル」についてグループで話し合いました

新しい公園ができたら拡がる未来の可能性や、インクルーシブコミュニティのあるべき姿とは?」というお題に対して、グループで10個アイデアを考えました。正解はないのでなんでもOKということで、どのグループも大変盛り上がり会場は終始賑やかでした。

グループごとにアイデアをシェアしました

盛りだくさんのアイデアに、参加者のみなさんは熱心に耳を傾け、共感していました。

・特に第一子に障がいがあると公園はとても行きづらいので、公園に行くきっかけがあるとすごくいい

・定期的なイベントがあると行きやすい

・子どもたちが公園で交流することで子どもも親も自然に慣れていく

・インクルーシブとは障がいだけではなく、カップルも、サラリーマンも、高齢の方も、様々な人が過ごせる公園を目指す

・医療ケア児のための部屋や使いやすいトイレがあるといい

など、書ききれないほど様々なアイデアや意見が出ました。

龍円さんからは、「海外ではこのようなワークショップで出た意見を公園作りの参考にしている。みんなで話し合うことがすごく大事。」とワークショップの総評をいただきました。

さいごに

代表の鈴木さんは「公園のアイデアを話し合うというのは、ワークショップだからこそできること。もっと、たくさんの声を聞いていきたい。」と、しめくくりました。

参加者の、障がいのある7歳のお子さんのお母さんは、「すごく学ぶことが多く、もっと勉強したい。公園には行っていなかったけれど、もう少し積極的に遊びに行ってみようと思った。」と話していました。

非常に学びの多い2時間のワークショップでした。

今回参加できなかった方や、団体の活動が気になる方は是非、市民活動団体インクルーシブひろば~みんなおなじ空の下~」のSNSをフォローして今後のイベント情報をチェックしてください!

取材を終えて

「インクルーシブ」ということばは、抽象的なカタカナ語ゆえの、ふんわりした雰囲気があります。けれど、地域のインクルーシブなコミュニティを考えることは、実はものすごく深くて、一人ひとりのなかにある様々な「意識」と対峙せざるを得ない場面も出てくると思います。決して「軽く」扱ってはいけないテーマではある一方で、「重さ」がつきまとえば、いつまでたっても現実が理想の方向に動いてはいきません。

障がいのあるお子さんのご家族を始め、「インクルーシブ公園」に賛同する地域のたくさんの人の「軽やかな行動力」が、「重い」テーマを動かしていく力になることを実感しました。本当に気づきと学びの多いワークショップでした。

サポートライター 重野友希 

WRITER

yuki

大学卒業後、IT企業でシステムエンジニアや、シェア工房の運営などいくつか経験したのち、2017年より藤沢市の就労支援施設に勤務。smalleatとしてものづくりや、地域のものづくり作家と福祉施設を繋げる取り組みなど行なっている。

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