【高校生ライター】「幸せ」のあり方〜体験を通して学んだこと〜
今年度、障がいのアナには高校1年生の野元小暖さんがNPOインターンで来てくれています。
今回も、小暖さんの経験をコラムにしてもらいました。幸せとは何なのでしょうか?あらためて何が心を満たしてくれるのかを考えさせられる内容です。ぜひお読みください。
NPOインターンコラム
皆さんは「発展途上国」と聞いたら、どんなイメージを思い浮かべますか?
私は食糧不足、衛生環境が整っていない、教育が十分に行われてないなどマイナスなイメージがありました。このイメージから「その国に住む人たちは幸せではないのかもしれない」と思っていました。
私は今年の夏にProject Abroadの活動でカンボジアに行きました。2つのボランティア活動に参加し、1つは小学校で英語を教えること、もう1つは公衆衛生の普及啓発でした。
子どもたちにたくさんの幸せを届けたい、また、少しでもみんなが笑顔になるきっかけになれば…という気持ちで参加しました。しかし、実際に活動に行ってみると、そんな考えは不要で、むしろ私が幸せをもらっていると思うことがたくさんありました。
その中でも一番思い出に残っているのは、誕生日会です。
私は16歳の誕生日をカンボジアで迎えました。ちょうどそのときは小学校で英語を教えていました。
どこからか私の誕生日を聞きつけた生徒たちが、教頭先生に相談し、授業の時間を潰して私の誕生日パーティーをサプライズで開催してくれました。
全校生徒からメッセージカードをもらい、birthday songを歌ってもらいました。
メッセージカードにはつたない英語でお祝いメッセージを書いてくれたり、私の名前やメッセージを日本語で書いてくれたり、折り紙でハートを折ってくれたりと、私のために一生懸命準備をしてくれた子どもたちの、優しい気持ちがとても嬉しかったです。
子どもたちは「嬉しい」「幸せ」と感じることを普段から家族や友だちなどから受けているからこそ、自分が喜ぶことや嬉しいと思うことは何かが自然と身についていて、私にもおすそ分けをしてくれているのかなと思いました。
子どもたちからたくさんの幸せをもらい、一番素敵な誕生日を異国の地で迎えられた私はあらためて幸せ者だと感じました。
発展途上国の子どもたちは私と同じ、もしかするとそれ以上に幸せを感じながら日々を過ごしています。友だちと遊んでいるときは、とても楽しそうで終始笑顔が絶えなかったです。環境に恵まれてないとか、教育が十分に行われてないという理由で「幸せではない」というのは安易な考えだったなと思いました。
「幸せ」は社会的要因では決まらない、もっと心のうちにある大事な大事なものなのだなと感じました。「違いの先にある同じ」は障がいや福祉だけでなく、国境を超えて幸せのあり方にも存在することを実感しました。
カンボジアだから、日本だからという先入観を持つのではなく、出会えた子どもたち一人ひとりの性格やアイデンティティをきちんと見れて良かったです。
この記事は、高校1年生の野元小暖さんのコラムです