インタビュー

色をお守りに、頼るということを大切に(カラーメンタリスト HeiChan)

安心という柔らかい世界をあなたは知っていますか?何を頼りに生きていますか?社会のなかにはさまざまな安心材料があります。成績や評価、診断などが自分を知るきっかけとなり、「私はそうなのだ」と自分を理解することで落ち着く場合もあります

その一つの例として、藤沢市などで活動する、カラーメンタリストHeiChanにお話を伺いましたRAYS色彩心理診断を学んだことで「苦手な人付き合いが、楽しくなった」「失敗しなくなった」と言います。色にどのような力があるのか、何かを頼ることの必要性や自己理解の大切さについてもお話いただきました

色彩心理の勉強を始めたのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?

HeiChan
HeiChan

もともと、私は人付き合いが好きではありませんでした。一人でお芝居を観に行ったり、美味しいものを食べたり、自分のリズムで生きるほうが楽で、人と待ち合わせをして出かけるなど相手に合わせることは嫌いなタイプでした。

自分でもその性格に気づいていたのですが、前職の上司に「君、人付き合い上手じゃないから」と言われ「あ、言われちゃった…」と思いました。その上司は「今の仕事ではなくて、職人みたいな仕事をしたほうがいい」と言われたのです。そのときは、少しメンタルもやられていた時期でした

他の職業を考えましたが、人と接しない職業はなく、このまま生きていくのはつらいなと思った時期でした。すると、疑心暗鬼になり、周りの人は自分の都合のために私と接しているのかな、面倒くさいと思われているのだろうな…と、疑いの眼差しで生きている時期が1〜2年ほどありました

そこから、色彩心理診断と出会ったのですか?

HeiChan
HeiChan

そうです。そこで、ゆくゆく私の師匠になる人と出会うことになりました。RAYS色彩心理診断をやってもらうと、見事に当たりまくり、驚きました。自分が選んできた色にはちゃんと理由があることも知れて、本当に面白いなと思いました。

しかし、そのときはそれで終わりました。その頃、選んでいたのが「緑」です。「緑」には、自己表現を控えるという意味があります。当時、「緑」をずっと身に着けて、緑らしく粛々と生きていたのですが、途中で「茶色」が好きになったのです。「あ…色が変わった」と思って、茶色の意味を知りたく、その人に連絡を取ろうと思ったところ、絶妙のタイミングで「弟子、募集」の案内があり、飛びつくように申し込みました

やはり色が変わったのは、何か心境が変わったからだったのでしょうか?

HeiChan
HeiChan

そうだと思います。「緑」でいるのがしんどくなったのかなと思っています。「緑」は、自己主張を控える色なので、自分の意見が言えない色なのです。

自分の意見が言えないのがつらい、ちょっと意見を言いたくなってきたな…と思ったタイミングで、茶色を好きになり、先生に連絡を取った感じです。「茶色」は、出世欲とか社会進出の色です。このまま、何か黙っているのが嫌になったのかなと思います。

実際に勉強してみて、ご自身がカラーメンタリストになってみていかがでしょうか?

HeiChan
HeiChan

失敗しなくなりました。客観視もできるようになり「この色を選んだら、そりゃ失敗するよね」「色を間違えちゃった。じゃあ、この色選んでみよう」「やっぱりこの色で成功した」と考えられるようになったのが大きいです。自分の色選択と狙っていたアクションの整合性が取れるようになってきたのです

たとえば、私は自己表現が苦手な「緑」タイプですが、働いてると自分の意見を言わなくてはいけないときがあり、そういうときはワンポイントでも「赤」を身につけておくと良いです。「赤」は自己主張の色で、怖いもの知らずの色なので、もし叩かれてたとしてもあまり痛くなくなるのです。色の勉強をして強くなったというよりは、自分をコントロールできるようになりました

「色」がお守りになる感じですね!

HeiChan
HeiChan

そうですね。「この色があるから安心」という気持ちになります。色の意味がわかるので、これを持ってると「きっとこういう気持ちになれる」とか「こういうふうに自分を持っていける」という暗示のような要素はあると思います。

今日はこの色に頼ってみよう、今日はこれ使ってみようと気軽に利用することができるようになります。何より「色」はお金かからないので扱いやすいです。「色」を取り入れるとき、洋服だと抵抗がある人もいるので、ワンポイントで取り入れたり、折り紙を折って、お財布の中に入れたりするのも良いと思います。

色彩心理診断の魅力は、何でしょうか?

HeiChan
HeiChan

答えが見えてくるのが楽しいですね。自分や相手のことがわかるようになっていくのが魅力です。

あと、色は身近なので、誰でも色のエピソードを持っています。最初、出てこない人もいますが、「この色が好きだ」「この色のものをよくもらっていた」とか、多くの方が人生の中で「色」に触れています。なので、入りやすいというのも魅力だと思います。

色の勉強で、相手のタイプが見えるようになったと思うのですが、それも生活に役立っていますか?

HeiChan
HeiChan

私がやっているRAYS色彩心理診断は、60分から90分くらいかけて診断します。なので、「茶色を着ているから」「赤を着ているから」と決まるものではありません。

ただ、人間のタイプを知ることで、この人はこういう傾向があるのかなと考えることができるようになります。いわゆるタイプ別の対応ですね。頑固なタイプ、自己主張が強いタイプ、意見を言うのが苦手なタイプ…など、タイプ別の対応は上手になったのかなと思います。

苦手な人を避けられるようになったのかも知れません。「この人とは合わないから少し距離をとろう」と思えるようにもなりました。

人と関わることへの思いは、変わってきましたか?

HeiChan
HeiChan

人と付き合うのが楽しくなってきました。色には、長所と短所があるので、どちらかだけということはないので「今は色の悪い面が出ているな、でも長所は何だろう」と人に興味を持てるようになりました。

あとは、自分を好きになれたのも大きいと思います。色を勉強しても、当然、失敗することも出てきますが、長所と短所の両方を知ることができたので、結果的に自分を好きになれた気がします。

人は誰でも生きていくうえで、安心できる「頼るもの」があるのは大事だと思うのですが、HeiChenはどう思いますか?

HeiChan
HeiChan

頼れるものは、絶対に必要だと思います。現代は、誰でも忙しい中で生きています。働いている世代も忙しいけど、高校生も忙しいし、中学生や小学生も忙しいです。自分ひとりでできることには限界があると思うので、そのときに「これは誰かにやってもらおう」「ここでやめておこう」といった振り分けができるといいのかなと思っています

人と話をしていて思うのが「忙しいから、できない」と諦めてしまうのは、すごくもったいないなと思っています。ひとりではできないけれど、誰かを頼ることができれば、自分が「やりたい」と思ったことをもっとできる。人を頼るのは難しいことですが、自分の人生を他人のために駄目にするのは少し違うので、上手に頼ってほしいなと思っています。ただ、人に頼るのが苦手な人もいるし、その頼られた相手の人も限界があるので、色を頼るのは良い方法です。

HeiChanは、障がいや福祉と聞くと、どのように思いますか?

HeiChan
HeiChan

「福祉」の話でいうと、自分が欲しいもの、手に入れたいものは、すべて手に入れたほうがいいと思っています。要するに「みんなで支え合って、幸せになりましょう」という話です。

「手に入れられない、嫌だな」で終わらせず、どうやったら手に入れられるのかなという発想が大事かなと思っています。何かを頼ることで、できることや叶うことは増えるので、我慢するのではなく、自分が欲しいものは、全部、手に入れてほしいと思います

障がいのほうはどうでしょうか?

HeiChan
HeiChan

そもそも「障がい」という発想がないです。5年くらい、障がいのある子どもたちと関わる機会があり、いわゆる、障がいのある友人が多くいます。何も変わらない、普通の友だちだよねという感じです。

私にも苦手なことがあるように、友人たちにもそれぞれ苦手なことはあります。おつりの計算ができない友だち、待ち合わせに時間通り来れない友だち…など、ただ、それくらいなので、その子はその子だよねと思っています

さまざまな特徴の人が暮らすなかで、ともに生きていくために必要なものは何だと思いますか?

HeiChan
HeiChan

ありふれた言葉ですが、「自己理解」と「他者理解」ですね。とくに、私は自己理解が大事だと思っています。他者理解は、ある程度努力すればできるように思いますが、自分のことは見えないので「自分ではこうだと思ったけど、実は違った」「本当はこうしたかった」というのが気づきにくいです。

その自分の思いに気づけなかったり、相手に伝わらなかったりするとギクシャクしてしまうと思っています。私はカラーメンタリストなので、ぜひ、興味のある方は体験していただきたいです。

ただ、最近はインターネット上で、いろいろな形で、自己理解のヒントになる診断やアンケートもあります。そういうのを積極的に使ってもらうのも良いと思っています。正しい、正しくないは別として、一つの拠り所にして使ってもらうのはいいのかなと思います

色でいうと、人と人がつながりやすいカラーは何色でしょうか?

HeiChan
HeiChan

人と積極的に関わりたいのなら「黄色」「オレンジ」がおすすめです。また、穏やかに人間関係をつなげたいのなら「ベージュ」がよいでしょう。

最後に、今後、どのようなことやっていきたいでしょうか?

HeiChan
HeiChan

今は、知り合いの紹介などを通して、地域の方や中高生のイベントなどで活動させてもらっていますが、もっと個別でセッションをしていきたいなと思っています。いろいろな人と出会っていきたいです。

色彩心理診断をやってみたいという人は、女性のほうが多い傾向にあります。占いやおみくじが好きという人も、男性よりも多いと思うので納得です。モニターさんを募集した際も、性別関係なく声をかけても、「やってみよう」と思うのは、女性のほうが多かったです。

占い感覚で女性が来てくださるのも、もちろん良いことなのですが、ぜひ、男性の方にも上手く色を活用してもらいたいなと思います。「頼ってみようかな」という一歩を進めてもらい、もっと上手く仕事をしたり、もっとスムーズにプライベートを豊かにしていってほしいです。

インタビューを終えて

人を頼る、物を頼るのは、すごく大切な力。委ねる、甘える、支えてもらう…そういう行動を楽に出せるようになることが生きやすさにつながるのだと思います。そして、何かの「せい」にすることも大切な力。大事な自分を守るため、大事な自分が自分らしく生きられるようにコーディネートするのは大切なことだと思います。

取材前に、私も色彩心理診断を受けさせてもらいました。この診断の良いところは、親しみやすいところだと思います。自分の話をするのが苦手な人も、好きな色のことなら話しやすい。見事に、力を抜いて寄りかかるのが苦手なことを診断してもらいました。

皆さんは、寄りかかれるものはありますか?力を抜いてこなかった人は力を抜くのも難しいものです。それでも、何かに寄りかからないと、人は生きられないのだと思います。人でも物でも、診断でも占いでも、「今日のあなたはこれでいい」といってくれるものに、寄りかかれると良いですね

WRITER

小川 優

大学で看護学を学び、卒業後は藤沢市立白浜養護学校の保健室に勤務する。障がいとは社会の中にあるのでは…と感じ、もっと現場の声や生きる命の価値を伝えたいとアナウンサーへ転身。地元のコミュニティFMをはじめ、情報を発信する専門家として活動する。

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