コラム

「語る」大切さ、毎月開催のオンラインイベント

7月2日に「オンラインイベント」を初開催し、その後も、8月、10月と開催を続けています。お互いの想いを伝え合い、新しい発見ができる機会はとても貴重です。ここでは、オンラインイベントの様子をお伝えします。

オープニング

障がいのアナの誕生の話や、私たちの目指すもの、私たちが考える「壁」について、少し紹介し、それぞれの自己紹介に進みました。

みんなで語ろう

社会の中で「壁」と感じるものをそれぞれ話し、その中から自分自身の苦手なことや障がいなどを「相手に伝える」ことの大切さが話題に上がりました。

自分を表現する言葉

伝えるときには、診断名でなくてもいいけれど、自分の心境や状況を分かりやすく伝えられる「言葉」があると理解してもらいやすいという話が参加者の中からあがりました。また、いろいろな心境や状況の方がいることを知ることで、想像できる範囲が広がり、その後の関わりが変わってくるという話も出ました。

参加いただいた皆さんの状況や特徴が異なっていたため、具体的な「壁」を感じる場面をお互いに話すことで、お互いの心境を想像し合い、深められる機会になりました

「語る」ことで気づくもの

参加された方の感想の中で、「自分がやってきたことが、そう間違っていないことに気づけた。皆さんに肯定していただけて、これからもこれでやっていこうと思えた」という言葉がありました。

「語る」という行動は、体力を使うものです。しかし、「語る」ことは自分自身を整理することができ、良いフィードバックにつながることがあります。「語る」という尊さを大切に、障がいのアナではオンラインイベントを継続していきたいと思います。

参加者の皆さんの声

オンラインイベントでは、各回テーマを決めて実施しています。第1回から第3回までは「社会の中にある『壁』を考える」「伝えることの大切さ」「社会の中にある壁にアナをあける方法」を、参加者の皆さんと考えてきました。各回であがった、皆さんの言葉を一部ご紹介します!

娘がダウン症です。いろいろなところに家族で行き、いわゆる「普通」の生活して、こちらから壁を感じさせないようにしています。

パニック障がいなのですが、見た目は普通なので気づいてもらいにくいです。私の場合、会食や外食ができないので、これまでは何も言わずに帰っていましたが、皆さんにどうして断ってしまうのか伝えてみたのです。そうしたら、理解してもらえて解消できました。コロナ禍になってからは会食ができなくなり、そこは楽になりました。

「伝える」は大切。タイミングが難しいけど、自分の状態や状況は伝えるように頑張っている。

子どもの障がいのことを、あえて自分で言葉で伝えることはないけど、見て感じてくれる人が多いです。歩くようになったことを他の保護者の方が喜んでくれたり、ちょっとした子どもの成長を友達の家族も喜んでくれたり、そういう温かさがありました。

障がいのある子と、小さい頃から触れ合うことが大切。触れ合っていないと、物珍しい目で見たり、驚いたりしてしまうのだと思う。

障がいがあるからあえて声をかけるという社会ではなく、地域の中で当たり前に暮らせるという環境がいい。普通に暮らしていても、あえて全員に声をかけるわけではないので、それと同じように、自然と同じ空間で暮らせるというのがいい。

聞くことはできるけど、話すのが難しいことがある。どう話したらいいのか分からなくて間違えてしまったり、考えている最中に話題が進んでいってしまうこともある。そういうときは、できるだけ困っていると伝えるようにしている。

「大丈夫?大丈夫?」と言われることが迷惑なときもある。自分で対処行動は分かっているので、そういうときは「一人にしておいてください」と伝えるようにしています。パニック発作が起きることは日常的にあることなので…お腹鳴るのと同じようなものです。

私は伝えるのが苦手なので、あまり伝えてなかったなと思いました。分かってもらえなかったときに、落ち込むのが嫌で、それなら話さなくてもいいかなって。適当な理由をつけて、断ることも多かったのですが、そうすると社内の評価も下がってしまうんですよね。

自分の状態や状況を伝えやすい「言葉」があるといい。「会食恐怖症」という言葉をもっと前に知っていたら、少し楽だったと思う。

病気の名前や症状、状態などを知ってくれる人が増えると、少し壁が薄くなるように感じる。そうやって少しずつ壁にアナがあいていったら嬉しい。

壁は自分を守るものでもあるから、むやみやたらに壊さなくていい。少し覗ける、少し風通しが良くなるという壁もあり。自分なりに壊さないでおきたい壁に気づくことが大切。

知らないもの、新しいものと出会うと構えてしまうことがある。共感できるような話題や経験があると、壁にアナをあけられるように思う。

今後の開催

障がいのアナでは、これからも「語れる場所」をオンライン上でつくっていきます

次回は、11月4日(金)夜8時から「AnaLetter」を読んでくださっている皆さんで集まれるオフ会です。障がいのアナのサポーターの方は無料、一般の方は500円で参加可能。皆さんのご参加をお待ちしています。詳細、お申し込みは、下のボタンからPassMarket(外部サイト)へ!

ご参加、お待ちしています!
11月4日(金)20:00〜21:00
12月3日(土)ふれあいフェスタ@藤沢市役所
※2023年1月以降も毎月実施予定!

WRITER

小川 優

大学で看護学を学び、卒業後は藤沢市立白浜養護学校の保健室に勤務する。障がいとは社会の中にあるのでは…と感じ、もっと現場の声や生きる命の価値を伝えたいとアナウンサーへ転身。地元のコミュニティFMをはじめ、情報を発信する専門家として活動する。

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