あの頃は見えなかった景色、「えとす児童クラブ」で触れた大人の想い【アナレポ#20】

藤沢市内のアナをあける活動を取材する『アナレポ』
2025年12月2日、私は天神町にある「えとす児童クラブ」を体験取材しました。「えとす児童クラブ」を含む放課後児童クラブは、共働きなどで放課後や長期休暇の時に、家に大人がいない小学生を対象とし、安心して過ごせる生活の場を提供する施設です。
私も小学生の頃に児童クラブを利用しました。今回の訪問で、利用当時は気づけなかった多くの人の支えや想いがあったことを、改めて知ることができました。
(取材:野元 小暖・高校3年)

日常を彩る放課後の居場所
私が到着した15時ごろは、ちょうど子どもたちの学習時間でした。読書をしている子もいれば、学校から出された宿題を、この時間に取り組む子もいました。「学校や塾の宿題はできるだけ児童クラブで済ませてきてほしい」という保護者の声に応える形で、この学習時間を設けているそうです。
一方で、保護者だけでなく子どもたちの声にも応えるため、毎週金曜日は学習時間を設けず、学校から帰宅してすぐに自由時間にしているとお話しされていました。
学習時間が終わると、おやつの時間です。この日のおやつは揚げパンでした。子どもたちは班ごとに食前の準備や食後の片付けを行います。また、この頃になると6時間目を終えた中学年の子どもたちが少しずつクラブにやって来ました。上級生が加わることで、児童クラブの雰囲気も徐々に賑やかになっていきます。

放課後に広がる子どもたちの世界
おやつを食べ終え、元気いっぱいの子どもたち。待ちに待った自由時間です。外で遊ぶ子、室内で本を読む子、けん玉で遊ぶ子など、それぞれが思い思いにのびのびと過ごしていました。
私は、年賀状作りに取り組む子どもたちと一緒に自由時間を過ごしました。子どもたちは、「いちごミルクみたい」「思ったよりフワフワしていて気持ちいい」と話していました。非日常的な制作活動は好奇心を刺激するようで、豊かな感性に驚かされました。作った年賀状は、両親とおばあちゃんに渡すのだと嬉しそうに教えてくれました。
また、さまざまな子どもたちが話しかけてくれ、好きな本や映画、学校で流行っていることなどを教えてくれました。子どもたちと話していると新しい視点を得られたり、自分の小学生時代を思い出したりと、私自身も楽しいひとときになりました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、いよいよ帰宅の時間に。子どもたちは保護者のお迎えが来ると順番に帰っていきました。

子どもたちの放課後を支えるスタッフの想い
「子どもたちにとって、えとす児童クラブが第2の家になってほしい。」
そう語ってくれたのは、「えとす児童クラブ」のクラブ長である星野さんです。児童クラブは教育施設ではなく、保育施設に近い位置付けになるそうです。だからこそ、「子どもたちがのびのびと自分らしくいられる環境をどのように作っていくかが大切」と話していました。
また、子どもたちが「ワクワク」「ドキドキ」する体験を提供することも重視していると言います。年賀状作りをはじめ、夏休みの親子デイキャンプやクリスマスのケーキ作りなど、さまざまな体験の場を通して、子どもたちの好奇心を育んでいるそうです。これらは単なる経験にとどまらず、“文化の継承”にもつながっているとのこと。一石二鳥ですね。
振り返ってみると、私自身もけん玉やベーゴマ、メンコや缶ゴマに興味を持つようになったのは、児童クラブのおかげだったと感じます。
そして最後に、星野さんが語ってくれたのは、子どもたちにどのように成長してほしいかという想いでした。
「藤沢市が好きな子に育ってほしい。」
全員でなくてもいい。大人になったときに、ふと「自分たちが育った場所は素敵だったな」と思える子が、1人でも2人でもいてくれたら嬉しい、そう願っているそうです。

故きを温ねて新しきを知る
私も小学生の頃、児童クラブにお世話になっていました。時が経ち、久しぶりに足を運んでみると、懐かしさと同時に、当時は見えなかった「児童クラブの裏側」を知ることができました。授業が終わったあとの私にとっての居場所だったこの場所は、たくさんの大人と子どもがいて初めて成り立っているという“当たり前”に気づかされました。
スタッフの方々の仕事は、決して楽しいことばかりではありません。背景の違う子どもたちと向き合うことは簡単ではなく、悩むことも多いといいます。かくいう私も、決して手のかからないタイプではなく、きっと多くのご苦労をかけたのだろうなと感じました。
それでも、温かく見守り、支え続けてくれた大人たちがいてくれたからこそ、今の私があるのだと思います。当たり前のことですが、このことにきちんと感謝をしながら生きていきたいです。今回の訪問は、子ども時代には見えていなかった多くの想いに触れる、貴重な経験となりました。
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ふじさわこたね
〜学生がまちの福祉に出会うアナレポプロジェクト〜
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