知って変わる日常― 藤沢市総合市民図書館で体験したこと【アナレポ#8】

藤沢市内のアナをあける活動を取材する『アナレポ』
8月7日(木)に藤沢市総合市民図書館で『みて!きいて!さわって!いろんな本をたのしもう!!』が実施されました。このイベントは、みて、きいて、さわるという五感で楽しめる内容になっていました。
本を読むことが困難な方が利用できる資料の展示やさまざまな読書方法が紹介されており、『読書』の多様性を感じました。館内は子どもたちで賑わっており、子どもたちは笑顔に満ちていました。家族と、友達と、さまざまな形で子どもたちにとっての夏休みの1ピースになっていました。
(取材:飯島 咲音・高校1年)

可能、不可能を知る
最初に盲導犬紹介に足を運びました。そこにはラブラドールレトリーバーのタミーちゃんが待っていました。タミーちゃんは盲導犬の紹介をさまざまな場所で行なっているそうです。
盲導犬のお仕事は障害物を避けたり、段差や角を教えたり、道路の端に沿って直進・停止の指示をハーネスの動きで伝えることです。私がお話を聞いて驚いたのは、そんな盲導犬にもできないことがあるということです。さまざまな方法で視覚障がいのある方に情報を伝えられる盲導犬も、信号機の色を判断することはできません。犬は人間に比べて色の識別能力が低いため信号の色で『進む』『止まる』を理解することはできないのです。
そうなると、信号を判断するのは盲導犬ユーザー自身です。盲導犬ユーザーの方たちは、車の音、周囲の人の気配、音が出る信号機を頼りにして信号を渡ります。しかし、音だけで判断するのは危険が伴います。「盲導犬がいるから分かっているはず」と思わず、近くに盲導犬ユーザーの方がいたら、『こんにちは、もうすぐ青になりますよ』と伝えてあげることが大切だと知りました。
盲導犬紹介をしてくださった、日本盲導犬協会 神奈川訓練センターの荒津さんは多くの方が盲導犬を知ることが大事だと語っていました。会場はとても柔らかい雰囲気でした。この機会に盲導犬のことを知れてよかったです。とても有意義な時間でした。

点で伝える世界
次に点字を打つ体験ができるコーナーに行きました。ここでは点字で自分の名前を書いた栞を作ることができました。点字とは視覚障がいのある人が指で触って、読み書きする文字です。
これまで私は、駅などで点字を見ることはありましたが、点字の意味やそれがどうやって書かれているのかも知りませんでした。このイベントを取材したいと思ったきっかけも「点字を知りたい」という思いからです。
まず点字を書くには点筆と専用の定規が必要です。定規を紙に当てて点字一覧表を隣に置きながら、一文字ずつ探してはその形に合わせて点筆で紙に凹みをつけていきます。そして紙を裏返すと点字が完成します。点字の世界はシンプルそうに見えて難しいものでした。私は、点字表を見ながらでも精一杯でした。たったの7文字に十数分。点字で自分の名前が書けたときは達成感がありました。
藤沢市には点字図書館があり、そこでは視覚障がい者の方へ点字図書・録音図書の貸出や製作をしています。点字図書館には視覚障がい者の方向けの図書が豊富にあります。また、視覚障がい者の方を対象にした点字やパソコンの講習会、料理教室なども開催しています。

変わる日常
今回の体験で点字や盲導犬について学べてよかったです。私にとって、点字や盲導犬は名前や存在は知っているものの、詳しい内容は知りませんでした。まちの中に点字は溢れていますが、私と同じように身近ではない方も多いのではないかと思います。
このイベントをきっかけに、点字や盲導犬のことを知ることができたので、今後は視覚障がいのある方が困っていたら助けられるようになりたいです。たくさんの方に点字や盲導犬について知って欲しいと思いました。
今回のイベントは毎年開催されています。私はまだまだ体験できていないブースがたくさんあるので、また参加したいです。ぜひ皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか?
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ふじさわこたね
〜学生がまちの福祉に出会うアナレポプロジェクト〜
このプロジェクトでは、学生が取材を通して、藤沢の福祉と出会い、それぞれの気づきとともに地域をレポートしています。【プロジェクト詳細】